
 
秋を迎えると園芸コーナーをガーデン用カーネーションやマムが色鮮やかに彩る。その中にサルビアやアブチロン、クレマチス、ナデシコ、フロックス、バーベナ、カンパニュラなどの草花・花木が暑い夏を乗り越え、わずかに緑の葉を残し販売される。春の残り苗であるこれらの植物は、実は秋から育てる宿根草の宝の山。一年草では夏越しが難しく、いつの間にか店頭から消えてしまうが、夏を越えて生き残ったこれらの植物は日本の気候に合った宿年草や多年草が多く含まれる。苗姿は悪いが、これらの苗は夏の高温下では生長を止め、休眠の状態で悪い環境に耐えているのだ。
夏の暑さが苦手なこれらの植物は、ポット苗のままではじっとしていても、夏の終わりから秋口により大きなプランターや地植えにすることで、夜温が下がる 9月下旬頃から生育を再開し、新しい葉を展開する。ガーデン用カーネーションなど四季咲き性の強いものは10月に入ってから再びきれいな花を見せてくれる。夏越しした宿根草のみならず、ミントやレモンバームなど耐寒性のハーブ類なども秋に比較的日中温度の高い時期に大きな鉢やプランターに植え替えることで、その後春と同様の勢いが出る。冬に十分な栄養を持って寒さに耐える球根類の草花と異なり、宿根草や冬越多年草は秋の生育が順調に進み、体内の栄養分が十分に蓄えられることが、冬越しに大きく影響を及ぼす。

マム類(キクの全体総称)は花が終わって地上部がほとんど枯れるまで待つことで、その間に地下茎が発達し、枯れた地上部を切り捨てても、地下茎で越冬する。カンパニュラや宿根サルビアなどもこのタイプだ。この他宿根カスミソウ、ガーデン用カーネーションなどは秋にも苗や鉢物が販売される。これらはそのまま花壇やプランターに植える。一時的に地上部の葉先が寒さで枯れることがあっても、春には十分に勢いよく生育する非常に寒さに強い植物だ。またこれらの植物は寒さに会うことで来春の芽数が増える。これからの季節、来春のたくさんの芽吹きのため、充実した株に育てあげることが重要。秋は根詰まりを起こした植物の植え替えや切戻し、株元の枝の整理等、翌年の真っ盛りに向けて大事な作業を行う時期だ。夏に弱った庭をリフレッシュさせよう。
最近は斑入り植物など小花木類、宿根草、多年草の品種で寒さに強い植物も園芸店で多くみかけるようになった。この秋、育ててみたい植物との出会いを求め宝探しに出かけてみてはいかがだろうか。
【宿根草の冬越し法】
新しい土に植替え、葉の展開とともに十分な光と肥料を与えて、株を一回り大きくしてから冬越しに備える。ゼラニューム、オステオスペルマム、マーガレットなど半耐寒性の植物は植替え時に株を切り詰め、秋に少し芽出しした後、霜の当たらない比較的温かい場所で冬越しさせる。ガーデン用カーネーション等耐寒性の植物は関東以西では12月頃まで咲き続ける。
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